「朝起きれない」「やる気が出ない」「頭が働かない」──
以前の自分なら普通にできていたことが、なぜかまったくできなくなる。
周りからは「怠けてるだけじゃないの?」と思われそうで、誰にも相談できない。
でも、そんな症状が続いているなら、それは“心と体が限界を迎えているサイン”かもしれません。
この記事では、筆者が実際に経験した「適応障害によって動けなくなった日々」をもとに、以下のような悩みに答えていきます。
- 朝起きようとしても体がまったく動かない
- PCの前に座っても、だるさで手が動かせない
- 頭がまったく働かず、文章を読んでも理解できない
「自分は怠けているだけじゃないのか?」と悩んでいるあなたへ。
この記事を読むことで、適応障害による“動けなさ”は決して甘えではないと少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
適応障害って、どんな症状が出るの?
適応障害とは、ある特定の環境や出来事によって強いストレス反応が現れる状態を指します。
「うつ病ほどではないけれど、日常生活に支障が出ている」──そんな中間的な位置づけになることも多く、見た目では気づかれにくいのも特徴です。
代表的な症状には、以下のようなものがあります:
- 朝起きられない、何時間寝ても眠い
- 食欲がなくなる、または過食に走る
- 仕事や勉強に集中できない
- 気分が落ち込む、不安感やイライラが強くなる
- 涙が止まらない、自己否定が強まる
- 動悸・吐き気・頭痛など、身体の不調が出る
症状は人によって異なり、「サボってるだけ」「気合いの問題」と誤解されることも少なくありません。
しかし、適応障害はれっきとした心の病気であり、本人の努力や意思だけではどうにもならない状態です。
朝起きれない
起きようと思っているのに、体がまったく動かない──。
アラームを止めても、そこから布団の中で何時間も動けない日が続きました。
頭では「起きなきゃ」と分かっていても、まぶたが重くて目を開けられないし、体を起こす気力がまったく湧いてこないんです。
会社がある日は、気力を振り絞って這うようにベッドから出て、ぼんやりしたまま身だしなみだけ整えて家を出ていました。
そのわずかな準備時間だけでエネルギーを使い果たしてしまい、通勤中も職場でも、頭がずっとぼんやりしていたのを覚えています。
一方、予定のない休日は、何度も目が覚めるのに起き上がれず、気づいたら午後2時・3時になっていたということもしょっちゅう。
それでも体のだるさが抜けず、ようやく起きても何もできずに、ただ座ってボーっとしているだけで1日が終わっていきました。
そんな自分を「だらけてるだけじゃないか」「意志が弱いだけなんじゃないか」と責めてしまう──。
でも今思えば、体が止まっていたのは、メンタルが限界だったサインだったんだと思います。
電車で立っていられなくなる
症状が本格的に悪化してきた頃、電車に立って乗ることすら困難になりました。
ふだんなら気にも留めない数駅分の立ち時間なのに、足に力が入らず、体の軸が保てない。
つり革につかまっていても、全身の重みが腕だけにかかって、肩や指がしびれてくるような感覚。
「このまま意識が飛んで倒れてしまうかも」と本気で感じる場面もあり、毎日の通勤がどんどん怖くなっていきました。
たまたま座れた日は少しほっとするけれど、それでも頭が重くて景色もぼんやり。
一歩一歩、目的地に向かうだけでも全力を振り絞る──そんな状態でした。
PCの前に座っても体がついてこない
会社に無事到着しても、次のハードルは「デスクに座ること」でした。
ノートPCを開いて「今日はこれをやろう」と思っても、体が鉛のように重くて、指も思考もまったく動いてくれない。
何もしていないのに疲れていて、熱があるときのような倦怠感が常にまとわりついていました。
目の前の画面に向かって、ただ座っているだけで精一杯。
考えがまとまらない、集中が続かない、やる気が出ない。それでも「何もできていない自分」に対する焦りや罪悪感だけはずっと残り続けていました。
頭の中は常にぼんやりしていて、言葉が出てこなかったり、やるべきことが思い出せなかったり。
「怠けている」と思われたくなくて、何とか動こうとするけれど、全然できない。
そんな日々が何週間も続きました。
集中できない
「集中しよう」と意識するほど、うまくいかない。
資料やメールを何度読んでも内容が頭に入ってこない。
何度読み返しても理解できない。
ようやく理解できたと思っても、すぐに忘れてしまって、また1から読み直し。
メールの文章を1通書くのに30分以上かかったこともありました。
集中しようとしているのに、集中できない。その事実にさらに自己嫌悪が重なって、どんどん思考がループしていきました。
「脳にブレーキがかかってる」としか言いようがない──まさにそんな感覚でした。
「寝たい」「何も食べたくない」だけになった
朝も昼も夜も関係なく、ずっと布団に入って寝ていたい。
何もしていないのに体が重く、立ち上がることすら面倒に感じる──。
それまでは料理が好きだったのに、食べたいと思えるものが1つもなくなり、冷蔵庫を開ける気力すら出ませんでした。
食べないといけないと頭では分かっていても、食欲がまったく湧かず、空腹感すら感じない。
1日に一口しか食べない日や、ゼリーや飲み物だけで終わる日も増え、体はどんどん痩せていきました。
今思えば、心が限界を超えて、生命維持に必要な行動すら止まっていたんだと思います。
動けないのは、あなたが怠けているからじゃない
「仕事に行きたくない」「体が重くて何もできない」──そんな自分を責めていませんか?
私も当時、何もできない自分に対して強い自己嫌悪を感じていました。
「社会人なんだから頑張らなきゃ」「甘えてるだけかも」「怠けてると思われる」
そんな思いが頭の中をぐるぐるして、余計に動けなくなっていくという悪循環に陥りました。
でも、今ならはっきり言えます。
あなたが動けないのは、怠けているからではありません。
環境や人間関係などから受けたストレスが、心と体に限界をもたらしているだけなんです。
それを「怠け」だと決めつけてしまうのは、自分に鞭を打ちすぎている証拠。
誰よりも頑張ってきたからこそ、ちゃんと限界を迎えた。
それは「弱さ」ではなく、あなたの繊細さや誠実さの表れかもしれません。
まとめ:異常を感じたら「逃げること」が最優先
ここまで、筆者が実際に体験した適応障害の経過と、当時の心の動きを綴ってきました。
職場でのストレスが蓄積し、「寝たい」「何も食べたくない」しか考えられなくなったとき──
それはもう、あなたの心が限界を超えているサインです。
そんなときは、「逃げること」を最優先にしてください。
真面目な人ほど、「自分が我慢すれば」「もう少し頑張れば」と考えてしまいがちですが、
本当に壊れてしまってからでは、回復には長い時間がかかります。
会社も仕事も、代わりはいます。
でも、あなた自身の命や心の健康に、代わりはいません。
この記事が、同じように苦しんでいる誰かの背中を、少しでもそっと押すことができたら嬉しいです。
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